財産管理等の委任契約書を作成するメリット
財産管理等の委任契約書は、身体機能が低下してきた場合に非常に有効な契約書になります。
※判断能力が低下した場合は、任意後見契約書がその役目を担います。
作成するメリットとしては、下記の様なことが挙げられます。
1.手続きをするたびに、委任状をつくる手間が省けます。
金融機関での手続き(定期預金の解約や多額の振込等)や病院・介護施設での手続き、賃貸アパートの管理、各種契約等、生活していく為には、様々な手続きが発生します。これらの手続きが発生するたびに、委任状を作成するのは非常に煩雑ですが、財産管理等の委任契約書があれば手続きごとに委任状を作成しなくても、この1通で日常的な契約や事務手続きを代理人が行なうことが出来るようになりますので、非常に便利になります。
2.寝たきりなどで、新たに委任状を作れない時でも使えます。
本人が元気なうちは、委任状を作る事はそれほどの障害ではないかもしれません。しかし、寝たきりになってしまったり、目や手が不自由になってくると委任状の作成自体が困難になることも考えられます。しかし、財産管理等の委任契約書を一度作成しておけば、委任状を作れなくなってしまった場合でも安心です。
3.金融機関などで、本人の委任(意思)であることを客観的に証明出来ます。
近年、特に金融機関では本人確認を徹底しています。その為、代理人がいくら「本人に頼まれてきた」と主張しても、客観的にそれを証明する書類が無ければ手続きをすることが出来ません。
4.子供が親の委任を受けている事を客観的に周りの人に証明できるので、気兼ねなく親の世話が出来ます。
特に子供が二人以上いる場合、高齢の親の世話をすると、他の子供から「親の財産を使い込んでいるのではないか」、とか「親の名義で自分に都合の良い契約を結んでいるのではないか」と言う様な、あらぬ疑いを掛けられることがありますが、委任事項を明記した財産管理等の委任契約書があれば、堂々と親の世話が出来ます。
5.財産を守れます。
親の財産を勝手に使いこんでいる子供や第三者がいる様な場合は、その様な人をけん制したり、財産の使い込みを防止することが出来ます。
6.入院中など、必要な時にだけ手続きを代行してもらうことが出来ます。
財産管理等の委任契約書には、身の回りのこと全てを委任する内容のものは勿論、手続きの時期や内容を限定することも出来ますので、状況に応じて利用が可能です。